パトラッシュ、とうとうぼくは見たんだ…ルーベンスの２枚の絵を……。

【4話収録】
■第45話「ひとりぼっちのネロ」
　とうとうネロはこの世に一人残されてしまった。頼りとするパトラッシュの励ましを受け、ネロは牛乳運びに出かける。アントワープへの道すがら思い浮かぶのは、もういないおじいさんの姿ばかり……。おじいさんの死を知り、ジョルジュやポール、そしてアロアも涙を流すしかなかった……。そんな折り、ネロはジョルジュが遠くの町へ鍛冶屋の修行に出る事になったと聞き、いっそうの寂しさを募らせる……。
■第46話「おじいさんの顔」
　ネロはみんなの支えもあって、少しずつ元気を取り戻しつつあった。しかし、心の痛みが消えたわけではない。ネロは、コンクール用の絵を描き始める事が出来ないでいたのだ。ポールの励ましに気を取り直したネロは、久しぶりにスケッチに出かける。だが、筆は思うように進まない。そこへアロアが、自分で描いたおじいさんの絵を見せた。その時、ネロの胸の中にある思いが生まれた。「おじいさんの絵が描きたい……！」
■第47話「風車小屋の火事」
　優しいおじいさんとパトラッシュの姿――。ようやくネロの中で、描きたいものが決まった。おじいさんの姿を思い描き、懸命に筆を運ぶ。そんなある日、沼のほとりに落ちていたアロアのものらしき人形を拾ったネロは、風車小屋にいるアロアの元に届けた。その帰り道を偶然ハンスに見られていたネロ……。その晩、風車小屋が火事になり、小麦倉庫もろとも焼け落ちてしまう。ハンスはネロに放火の疑いをかける――！
■第48話「なくなった仕事」
　村人たちの前で放火の疑いをかけられてしまったネロ。大切な収穫が燃やされてしまった村人の怒りは収まらない。最後までネロに牛乳運びを頼んでいたジェスタスも村人たちの抗議に屈し、ついにネロは収入を得る術を失ってしまう…。全てから見放されていくネロの心は、張り裂けんばかりだ。絵を描く気力も無くして落ち込むネロを、アロアが、そしてアンドレが励ますのだが……。

製作年度：1975

第45話　脚本：安藤豊弘／絵コンテ：奥田誠治／作画監督：羽根章悦
第46話　脚本：安藤豊弘／絵コンテ：奥田誠治／作画監督：岡田敏靖
第47話　脚本：佐藤道雄／絵コンテ：奥田誠治／作画監督：羽根章悦
第48話　脚本：佐藤道雄／絵コンテ：奥田誠治／作画監督：岡田敏靖

原作：ルイズ・ド・ラ・ラメー／製作：本橋浩一／企画：佐藤昭司／シリーズ構成：中西隆三／音楽：渡辺岳夫／キャラクターデザイン：森 康二／レイアウト：坂井俊一／美術監督：伊藤主計／撮影監督：黒木敬七／録音監督：佐藤敏夫／プロデューサー：中島順三、松土隆二／演出：黒田昌郎／制作：日本アニメーション、フジテレビ

ネロ：喜多道枝／ジェハン：及川広夫／アロア：桂 玲子／コゼツ：大木民夫／エリーナ：中西妙子／ジョルジュ：駒村クリ子／ポール：菅谷政子／ハンス：村松康雄／アンドレ：白川澄子／ミッシェル：雨森雅司／ナレーター：武藤礼子